競走馬の収支をプラスにするために必要な賞金額
更新日:
競走馬を所有する場合、その馬がいくらの賞金を稼げば収支がプラスになるのかを計算してみます。
馬主の収支は複雑で、単純に「購入金額<獲得賞金」となれば収支がプラスになるというわけではありません。
その他に様々な収入と支出があり、その種類と金額は個々の馬の状況によります。
ここでは多様な状況にある競走馬をなるべく標準化し、収支をプラスにするために必要な賞金額を算出します。
まず、収入と支出の種類と標準的な金額を書き出します。
一口馬主の場合はこの金額を募集口数で割ったものになります。
【収入】
賞金…出走したレースで5着までに入着すれば着順に応じて得られる。
奨励賞…距離別出走奨励賞、内国産馬奨励賞、内国産牝馬奨励賞があり、出走したレースで5着までに入着し条件を満たしていれば賞金に加えて得られる。ここでは標準化し賞金の10%とする。
出走奨励金…出走したレースで6~8着(重賞では10着まで)だった場合に着順に応じて1着賞金の2~8%が得られる。賞金と同程度の回数発生すると考え、賞金額の10%とする。
特別出走手当…レースに出走する度に約40万円が支給される。出走回数を5回/年と考え、200万円/年とする。
抹消給付金・付加金…引退時にJRAより支給される。故障による引退の場合は代わりに事故見舞金が支払われる。ここでは抹消給付金・付加金合計で300万円とする。
売却代金…獲得賞金に比例すると考え、獲得賞金の10%とする。
【支出】
購入代金…個々の馬により差が大きいが、標準的な金額として1500万円とする。
預託費…厩舎や入厩期間などによるが、ここでは2歳1月から60万円/月とする。
保険料…2歳から年に一度、購入代金の3%の支払いとする。
進上金…調教師、騎手、厩舎関係者に対し、賞金、奨励賞、奨励金の20%を支払う。
所得税…賞金等の所得に応じて納める。収支がプラスでない場合は発生しないのでここでは計算に含まない。
消費税…賞金等の収入が年間1000万円を超えた場合に納める。賞金、奨励賞、奨励金、手当の10%とする。
以上の条件で3歳12月に引退する場合、4歳12月に引退する場合それぞれについて収支がゼロになる賞金額を計算すると以下のような結果になります。
【3歳12月に引退する場合】 必要賞金額: 2939万円
【4歳12月に引退する場合】 必要賞金額: 3677万円
引退しない場合は5歳以降も維持費が掛かることになり、収支をプラスにするために必要な賞金額は738万円/年ずつ増えていきます。
つまり、年間738万円以上の賞金を稼げる馬であれば引退させないほうが得ということになります。
次にこのレベルの賞金を稼げる馬がどれだけいるかを見るため、セール・一口馬主クラブごとに獲得賞金別の割合をグラフで示します。
収支がプラスになる馬は5歳以降に引退すると考えると前述の計算から少なくても4000万円以上は稼ぐ必要があり、そのような馬の割合は8%程度しかないことがわかります。
馬主として競走馬の収支をプラスにするためには上位一握りの馬を選ばなければならないということです。
(※使用データ)
セレクトS: 2007〜2016年産
セレクションS: 2007〜2016年産
サマーS: 2007〜2016年産
オータムS: 2007〜2016年産
G1TC: 2010〜2016年産
グリーンF: 2014〜2016年産
TCライオン: 2016年産
ノルマンディーOC: 2011〜2016年産
ラフィアンTC: 2010〜2016年産
社台TC: 2007〜2016年産
シルクHC: 2012〜2016年産
サンデーTC: 2007〜2016年産
ターファイトC: 2010〜2016年産
ワラウカドC: 2015〜2016年産
ウインRC: 2014〜2016年産
友駿HC: 2016年産